以前ブログにて「空き家について」を掲載しましたが、先日、女性タレント(以下Aさん)が自身の体験を基に空き家の管理について話されていましたので、ここでご紹介させていただきたいと思います。
Aさんは、中学卒業後に上京しデビュー後、定年退職した両親を東京に呼び、3人でお金を出し合い、ローンを組んで建売住宅を購入。そこに暮らしていましたが、それでも実家を空き家のまま放置していました。「実家をそのままにしていたんですね。芸能界の仕事がなくなったら戻ろうと思っていた」とし、両親からは実家の維持費を工面するよう頼まれていたこともあって「光熱費1カ月1万円くらいだろう」と思い、支払うつもりでいたという。しかし、実際にかかった維持費は年間40万円。庭いじりが好きだった父親が他界してからは市から督促連絡があり、近隣からの苦情やクレームが来てしまったため、庭の手入れも行うことに。植木や雑草の手入れに10万円、固定資産税8万円、火災保険10万円、光熱費12万円と出費がかさんでいった。「実家の近くに先祖代々の墓がある。お墓を守るため、あとは思い入れもあった」と実家を手放す決断ができなかったという。さらに、生前の父親から「実家を頼む」と言われ、14年間で560万円を支払いながら「遺言でもあったので貯金したり節約したりしながら維持していた」と明かされました。しかし、家の老朽化により維持費は「爆上がりした」。カビなどの繁殖を抑えるために親戚や向かいの人に換気してもらったり、排水溝が劣化したり。湿気をとるために粉せっけんを置いておくなど工夫したが、何かと出費が増えた。2011年の東日本大震災をきっかけに「実家を避難場所にできるようにリフォームをしよう」と総額600万円かけてリフォームも施した。結局、維持費は総額で1600万円にまでのぼることに。2017年に実家問題を取り上げたテレビ番組に出演し「真剣に考えて、当たり前のことに気づいた。私が亡くなった後は息子が…」と、息子が何の思い入れもない実家を継がなければならないことに気づいたという。息子から見れば祖父母の思い出は東京にあるだけに「実家問題で息子に同じような思いをさせたくない」と実家の売却をようやく決断したことを振り返った。
以上がその内容です。ちなみにAさんはその後、幸運にもUターン予定の購入希望者が現われ売却できたそうです。「実家を売却できてよかったと思います。そのまま残しておいたら、今度は私の息子に大変な苦労を背負わせることになっていたかもしれませんしね。もちろん、長い間実家を残しておいたことを、失敗だったとは思っていません。ただ、事前に両親と実家の“その後”をどうするかをもう少しきちんと話し合っておいてもよかったなと思っています」(Aさん)
年末年始は実家に帰省する方も多く、家族揃ってお過ごしになる方も多いと思います。なかなか切り出しにくい内容だと思いますが、上記のような実例をあげながら家族会議をされてみてはいかがでしょうか。