令和3年もあと数日となりましたが、この1年はいかがだったでしょうか?
今年はコロナウイルスの蔓延による緊急事態が宣言され、イベントの中止や延期、飲食店の休業や時短要請など暮らしや経済にとっては暗い年となりました。
そんな中で一時は開催も危ぶまれた東京オリンピックにおいて日本選手の活躍は大きな励みとなり、テレビ越しであってもみんな応援しているという一種の連帯感も味わうことができました。そんな東京オリンピックの成功を追いかけるように国内のコロナ感染者の減少がはじまり、経済活動も再開し、この年末はようやく日常を取り戻しつつあります。
さて来年はどんな年になるのでしょうか?最近の変異株への警戒など引き続きコロナウイルスに対する備えは必要ですが、一方で経済の立て直しも重要な年になります。
総選挙で信任を得た岸田内閣で様々な経済政策や税制改革を行う予定ですが、不動産関連ではこどもみらい住宅支援事業の創設や住宅ローン減税の延長と見直しが発表されています。(予算審議中のため暫定です。また画像は国土交通省HPより)
このうちこどもみらい住宅支援事業とは、子育て支援とともに2050年カーボンニュートラルの実現に向け高い省エネ性能を有する新築や省エネ改修工事に対する補助金制度で、子育て世帯のZEH新築の場合100万円、省エネ改修工事で最大30万円が補助されます。
また、住宅ローン減税ですが、適用期限を2025年まで延長します。控除率は1%から0.7%に引き下げられますが、2023年までに居住した場合は適用期間を現行の10年から13年に延長します。また、適用される借入金額についても認定住宅が5000万円、ZEH水準省エネ住宅で4500万円、省エネ基準適合住宅4000万円、その他の住宅3000万円とやはりカーボンニュートラルの実現に向け住宅の質の向上を誘導するものとなっています。
個人的に注目する点は、既存住宅に対する控除が従来の築年数要件(耐火住宅25年、非耐火住宅20年)を撤廃し、「昭和57年以降に建築された住宅」(新耐震基準適合住宅)に緩和されたことです。また既存住宅においても省エネ基準適合住宅以上で借入金額3000万円、その他の住宅2000万円とこちらも質の向上を誘導する制度となっています。
最近の不動産市場では、お客様の新築志向からまだ十分使用できる住宅も解体し土地として売買される傾向が続いていました。これが結果的に地価の高騰を招き中古住宅の価値を引き下げる要因の一つとなっていました。すでに実施されているインスペクションの利用と今回のローン控除の要件が緩和されることで、質の良い中古住宅がお客様の選択肢になれば売主にも買主にも適正な売買につながると思います。
このように様々な制度改革があるのでお客様の疑問にお答えできるようしっかり勉強しなければならないと思います。
今年1年ありがとうございました。来たる令和4年が皆様にとって良い年となりますようお祈り申し上げます。