ウォーターハンマーってご存じですか?
シングルレバーの水栓等で水道の水を止めた時や、全自動洗濯機・食器洗い機を使用している時、壁の中から「ドン」といった衝撃音や異音が聞こえたことはありませんか?
もし思い当たるなら、それはウォーターハンマーと呼ばれる現象です。
ウォーターハンマー現象が発生するメカニズム
「水撃」とも呼ばれるウォーターハンマー現象には2つの種類があります。
1つ目は、水道管内の急激な圧力上昇によるウォーターハンマー現象です。シングルレバー水栓などで急に水・湯を止めると、流れていた水の運動エネルギーが行き場を失い、水道管の内部に圧力がかかることによって衝撃音が生じます。
2つ目は、水柱分離によるウォーターハンマー現象と呼ばれるものです。水の流れが急に止まることで、止水栓の先で圧力が下がる箇所が生じるため、そこに向かって勢いよく流れ込む水同士がぶつかることによって振動や衝撃音が発生します。この場合は水道を止めた場所でだけ発生する異音ではなく、瞬間的に遠方にまで伝わり、水道の使用箇所から離れた場所で異音となることもあります。
ある日突然、異音が鳴り始めることもあります
以前は水道を止めた時の音が気にならなかったのに、突然ウォーターハンマー現象が気になることもあります。 考えられる原因は3つあります。
①もともと設置してあった水撃防止器が劣化した
②配管更新工事を行い水の流量が増加した
③近隣の住居数が増え、給水水圧が増加した
このように、ウォーターハンマー現象が起こる原因は、使い方や施工だけではなく器具の不具合や周辺の環境などが影響している場合もあります。
対策方法は…
対策方法として、まずは「勢いよく水を止めるのをやめる」ことが一番最初の対策になります。水を止めるときは、勢いよく閉める(ハンドルを動かす)のではなく、ゆっくりと閉めるようにしてみましょう。
また、全自動洗濯機などの電子弁により自動的に水の吐水を行う場所では自分では対処できません。そのようなところには、「ウォーターハンマー防止器(水撃防止器)」を取り付ける方法があります。写真のように水道のハンドル部分を水撃防止器に取り替えます。
取替前 取替後
他にも水道管を大きいサイズの物に変えたり、経路を変えるなど様々な方法があります。しかし、これを行ったから必ず治りますと断言できるものではありません。複雑な水圧の干渉により生じる現象ですので色々試してみる必要があります。