2021年のノーベル物理学賞に日本人(現在は米国籍)の真鍋淑郎氏が受賞されました。おめでとうございます。真鍋氏は今から50年以上も前にCO2の増加が地表の温度を上昇させることを数値で示し、最近よく聞く”SDGs17”にも掲げられる気候変動や地球温暖化の研究のモデルを作られた先駆者的な存在だそうです。
近年毎年のように発生する豪雨や洪水、干ばつや高温など、気候変動は現実に生活の安全を脅かす災害につながっていると考えられることから、CO2排出削減は世界的に取り組むべき課題となっています。
この課題について、住宅面での取り組みの具体例がZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)となります。弊社では2016年よりZEHを提案・建築しておりますが、当初はZEHというと太陽光発電ばかりがクローズアップされ「売電収入がある」とか「電気代が安くなる」、あるいは「設置代が高くて結局赤字になる」など金銭収支を重視した評価をされることが多くありました。
しかしこれはZEHの一面的な評価で、本来のZEHは、低炭素社会の実現に向け家庭から排出されるCO2の削減を目的として、
1.高断熱化による消費エネルギーの削減、
2.省エネ性能の高い設備を導入しエネルギー使用の高効率化、
3.必要なエネルギーを創出
により年間の一次エネルギー消費量の収支を”0”とする住宅です。
なんだか高尚な目的で敷居が高いようですが、言い換えるとZEHとは、
1.全体をしっかり断熱することで家の中での寒暖差を減らし、
2.省エネ設備の導入で効率よく生活環境を整え、
3.創エネによりランニングコストを抑えて
豊かな暮らしを実現する住宅と言えます。
加えて住宅内の寒暖差が少なくなれば快適性も増し、ヒートショックや呼吸器官へのダメージ、アレルギーの発症も減らせ、健康的な生活、つまり医療費負担の低減につながり、さらに省エネや創エネで光熱費の削減も図れることで生活コストが安くなります。
ZEHは子育て中の世代、子育てが一段落した世代、その先の悠々自適で毎日を楽しむ世代にとっても健康的で安全安心かつローコストな住みやすい住宅です。自分や家族が健康でゆとりある生活をおくるだけで結果的に地球温暖化の抑制に貢献できると考えるとちょっとお得な気分になりませんか?
今回は主にZEHの目的や意義と生活する上でのメリットについて書いてみましたが、機会があれば蓄電池やV2Hなど発展性や財産的価値についても考察してみたいと思います。
ZEHや省エネリフォームについて興味がある方はお気軽にご相談ください。
お客様の豊かな暮らしの実現と地球温暖化の抑制とサスティナブルな社会の実現に少しですが貢献させていただきます。
真鍋氏のノーベル賞と住宅建築について実は深い関係がありました。ノーベル賞のご受章心よりお祝い申し上げます。
出典
写真:中日新聞2021年10月6日付朝刊1面
画像:資源エネルギー庁