中東で初となるサッカーワールドカップカタール大会2022がいよいよ始まりました。
わが日本代表は1998年のフランス大会から7大会連続の出場を果たしましたが、それまでは長い道のりで、本戦初出場がかかった1993年の予選最終戦では今回の開催地カタールのドーハで対イラク戦の後半アディショナルタイムに痛恨の失点により1994年のアメリカ大会への出場を逃し「ドーハの悲劇」と呼ばれることとなりました。その悲劇の地での大会、日本代表はベスト8を目標に掲げ、サポーターも雪辱を期し応援に力が入っています。
グループステージが始まり、前回優勝のフランスやイングランド、オランダは順当に勝ち点を挙げていますが、強豪アルゼンチンがサウジアラビアにまさかの逆転負けを喫する波瀾の幕開けとなりました。
日本代表のグループEはドイツ、スペイン、コスタリカと強豪揃いで「死の組」と呼ばれていますが、11月23日に初戦のドイツ戦が行われました。
序盤から怒涛のドイツの攻撃を防いでいたのですが、32分にPKで失点。その後も危ないシーンがありましたがなんとか前半を0対1で終えました。後半はドイツの猛攻をゴールキーパーの権田選手の驚異的な守備からペースを掴み積極的な攻撃を仕掛け、ついに75分に堂安選手の同点ゴール!さらに83分浅野選手の神がかった逆転ゴール!アディショナルタイムの7分間ドイツの全員攻撃を凌ぎきり2対1で歴史的な勝利。勝ち点3を得て、新聞の縦読みの通り「ドーハを歓喜の場に」することができました。
このあと27日のコスタリカ戦、12月2日のスペイン戦と厳しい戦いが続きますが、結果を恐れずに頑張って欲しいです。
もちろん日本代表の戦いが一番ですが、他にも注目したいチームがあります。セルビアという国をご存知ですか?豊田市にお住まいの方なら、名古屋グランパスで選手、監督として活躍したストイコビッチさんがすぐに思い浮かぶことでしょう。セルビアはそのストイコビッチさんが監督として今大会の欧州予選を無敗で突破したのですが、その中に唯一の日本人がいます。喜熨斗 勝史(きのし かつひと)さんという方で、ストイコビッチさんがグランパスの監督時代から一緒にキャリアを積み、今大会ではアシスタントコーチとしてセルビア代表を支えています。プロサッカー選手ではなかった喜熨斗さんが、あのクリスティアーノ・ロナウドのポルトガルを苦しめワールドカップ出場を果たしたチームのコーチということで、初めて知った時は感動しました。グループGで優勝候補のブラジルとの初戦、前半はよく耐えたのですが、後半にリシャルリソン選手に2点(すごいシュート!)奪われて残念ながら敗戦してしまいました。それでも次のカメルーン戦、スイス戦では監督とともにセルビアの勝利に貢献していただきたいです。
また、日本サポーターの現地での振る舞いにも毎回注目です。彼らはいつも試合後に身の回りのゴミを片付け綺麗に掃除をしていて、今やワールドカップの日本サポーターは、現地はもちろん世界中のニュースに取り上げられる存在となっています。もともと初出場となったフランス大会で試合後テレビ中継も終わった後の自発的な行為で、全力を尽くした選手や相手チームへのリスペクト、無事に開催できたことへの感謝の気持ちの表れだったと思いますが、同じ日本人として誇らしくもあります。
コロナやウクライナの戦争、テロなど暗いニュースの中、互いのチーム、サポーターやホスト国に対する感謝や尊敬と思いやりのワールドカップとなって欲しいと思います。