こんにちは。いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
梅雨明け宣言と共に暑い日が続いたと思えば、台風の影響か雨の日があったり、ゲリラ豪雨のような雨が降ったりと、最近の天候は異常気象と言っても過言で無いと感じます。このような時期によく問い合わせが多くなるのが、雨樋に関する事です。今回は雨樋の不具合ついて書きたいと思います。
雨の日は傘をさしていて、足元は気にするものの、上はあまり気にしない。晴れているなら尚更雨樋を気にする人は少ないと思います。屋根に降った雨は軒樋に流れ込み、集水器に集められ、竪樋を通って排水される流れとなりますが、樋が詰まっていたり、勾配が悪かったりすると、集水器とは違うところから雨水が漏れ出すこととなり、その雨水が落ちる音で初めて不具合に気付く方がほとんどです。
では、何が原因で雨樋の勾配が悪くなったり、詰まったり、また外れてしまったりするのでしょうか??
上記の写真は軒樋の勾配が悪く、樋中央に水が溜まっています。中央部に荷重がかかり、軒樋を押して、金具が曲がったものと考えられます。この場合考えられるのが、積雪による破損です。普段あまり雪が降らない地域では屋根に雪止め金具がついていない場合が多いです。そうすると、積もった雪が滑り落ちる際、ダイレクトに軒樋に荷重を掛けます。屋根の勾配が急な場合は軒樋を通り越して一気に下に落ちますが(これはこれで危ないのですが)、屋根の勾配がゆるい場合、長い時間をかけてゆっくりゆっくり溶けながら滑り落ちるため、軒樋に負荷をかけます。また、北側の屋根の場合、雪も解けにくく、塊となって滑り落ちていくため余計に軒樋に負荷をかける事となります。
上記の写真は軒樋の詰まりです。
上記の写真のように、雨と共に降り積もった土埃などが軒樋に溜まりこれが少しずつ、集水器に集められます。竪樋を通って完全に排水されれば問題無いのですが、
写真のように、雀口(すずめぐち)から落ちた漆喰や、鳥が集水器に巣を作ろうとして藁を運んでいたなんて事があると、水の流れを止め、詰まりの原因となります。
上記の写真は竪樋が外れている様子です。竪樋が外れる場合、主に2ヶ所考えられます。一つ目は集水器とエルボの接続部分。二つ目は竪樋のジョイント部分。そして起因は台風などの強風と振動です。
集水器とエルボは集水器側のジョイント部が回る構造になっており(回るようになっていない物もありますが…)、掃除などが出来るようになっています。風や道路を走る車による振動、地震などの影響で集水器側のジョイント部が回転し、運悪く接続口まで回ってしまうと、外れてしまいます。
また、竪樋のジョイント部が外れる場合の多くはジョイント部で折れています。こちらの起因は強風がほとんどですが、原因は経年劣化による部材の強度が落ちたためです。ジョイント部は専用の部材を使って長さを伸ばすので、その部材分強度が高くなります。よって、その強度の違いにより負荷がかかりやすく、折れやすい箇所となってしまいます。しかし、折れるくらい経年劣化しているということは、取り付けてからすでに20~30年経っていると考えられます。取替え時と言えます。
樋の不具合と言えば漏水がほとんどで、その原因は詰まりと、破損です。起因が雪や台風などの強風による自然災害の場合、火災保険が使える場合もありますので、ご自身の火災保険の特約事項などをこの際チェックしてみるのも良いかと思います。
また、軒樋の清掃を定期的に行うと、樋が詰まる事がなくなり、漏水の心配もないかと思います。ただ、無理はせず安全を第一に考えて作業をしてください。
いかがでしたでしょうか。今回は梅雨時期から夏の夕立時期に多い樋の不具合について書きました。これを機に晴れた日に外れている箇所は無いか確認していただき、雨の日に漏水している箇所は無いかのチェックをしてみて下さい。次の機会には取替え方法について書きたいと思います。本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。