今年は、閏(うるう)年であります。 現行の太陽暦について調べてみました。
太陽暦の基準値は、自然の時計(1年–太陽の南中点あるいは日の出・日没点の移動周期。地球の公転に起因)の地球の平均公転周期=太陽年≒365.2422日である。この年の下に自然の時計(1月–月の満ち欠けの周期。月の公転に起因)の1朔望月 約29.53059日の近似値、12分の1太陽年=1節月≒30.43685日を設定して、一太陽年を12に分割して「月(がつ)」を設けた体系である。
1節月の端数0.43685日は、ひと月を30日とする小の月と、31日の大の月の組み合わせで処理している。
太陽暦の1年は365日(平年)で、365÷30=12–余り5で、大の月は5回設ければよいのであるが、現行のグレゴリオ暦に先行するユリウス暦の大小の月の配分は、当初大の月をある程度規則的に、年初から1・3・5・7月、年末に向けて10・12月 の6回であった。
6回としたのは、ユリウス暦にさらに先行するローマ暦では年末の月で、閏(うるう)日の調節に使われていた小の月の2月を平年29日、閏年30日としたからである。ところが、
ユリウス=カエサル(シーザー)の後継者でアウグストゥスの称号を与えられ、ユリウス暦の改良に努めたオクタウィアヌス(BC63-AD14)は、自分の誕生月である8月が小の月では誇りに疵がつくとして、調節月の2月の最終日を8月31日に移して、8月を大の月にしたのである。この措置によって現行の不規則な大小の月の配分になったのである。
ちなみに、8月の英語名Augustはオクウィアヌスの称号Augustusに由来する。
もうひとつ、7月の英語名Julyはユリウス=カエサルの誕生月でJuliusに由来している。
1太陽年の端数0.2422日は、ユリウス暦では、4年に1度2月を29日とする閏日を設けて処理したが、この方法では1年を365.25日にしているので、1太陽年=365.2422日との差0.0078日は約128年で1日多くなってしまうので、400年に3日、閏日を削除するようにしたのが、現行のグレゴリオ暦である。3日の削減は、西暦の百の倍数年のうち、4百の倍数年以外の閏年を実施しないことで実現している。
例:西暦 1600=閏年(366日) 1700=平年(365日) 1800=平年(365日) 1900=平年(365日)
2000=閏年(366日) 2100=平年(365日) 2200=平年(365日) 2300=平年(365日)
2400=閏年(366日) 400年間で97回閏年を設ける。
クレゴリオ暦は、ローマ教皇グレゴリオ十三世(1502~85)が復活祭の季節を一定範囲内に収めるために指示して定められたので、この名称がある。
キリスト教の復活祭は、春分の日(西暦325年のニカエア公会議で3月21日と決められていた)後の最初の満月直後の日曜日と定められていたが、ユリウス暦は前述のように約128年ごとに1日多くなるので、当時の暦春分の日が3月11日となっており、10日ほど先行していた。
ユリウス暦からグレゴリオ暦への切り換えは、ユリウス暦の1582年10月4日(木曜日)の翌日をグレゴリオ暦の1582年10月15日(金曜日)とすることによって実施された。しかし、全世界的に施行されるには、複雑な国際情勢や宗教的対立などで、300年以上かかっている。
なお、グレゴリオ暦でも1万年に3日ほど違ってくる計算となっている。